事務所移転の挨拶文|例文・書き方・送り方までわかりやすく解説【保存版】

事務所移転の挨拶とは?|その目的と役割

事務所の移転をする際には、ただ新しい住所をお知らせするだけでは不十分です。

これまで支えてくださった取引先や関係者の方々への感謝の気持ちをしっかりと伝えることがとても大切になります。

また、これからも変わらぬお付き合いをお願いしたいという思いを込めることで、今後の信頼関係をより深めることにもつながります。

挨拶文は、そんな気持ちや願いを丁寧に言葉にして届けるための大切な手段です。

文章ひとつで「誠意」や「丁寧さ」を感じ取ってもらえることもあるので、相手に安心感や信頼を持ってもらうための第一歩として、心を込めて準備しましょう。

挨拶文を書く前に知っておきたい基礎知識

送るタイミングのベストはいつ?

一般的には、移転日の1〜2週間前に挨拶文を送るのが理想とされています。

これにより、相手側も住所変更をスムーズに把握でき、移転当日に混乱を避けることができます。

特に郵送で案内を出す場合は、配達にかかる日数も考慮し、なるべく余裕をもって準備するのがおすすめです。

遅くとも移転日には相手の手元に届いているように、逆算してスケジュールを立てましょう。

誰に送るべき?送り先のリストアップ方法

挨拶文の送り先としては、主に取引先、顧客、関係会社、士業関係(弁護士や税理士など)、金融機関など、日頃からお世話になっている方々が対象となります。

社外だけでなく、業務上関わりのある社内部署にも必要に応じて連絡しておくと親切です。

社内で過去の取引履歴や名刺管理データなどを活用し、漏れのないように丁寧にリストアップしましょう。

作成後は、担当者や上司と一緒にダブルチェックを行うことで、信頼を損なうリスクを防げます。

文面の「丁寧さ加減」は相手に合わせて調整

文面の表現は、相手との関係性によって使い分けるのがコツです。

たとえば、長年親しくしている相手には、ややカジュアルな表現を交えても構いませんが、基本的には敬語をベースとした丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

社内共有の場合でも、必要以上にくだけすぎることなく、きちんとした印象を与える文面が望ましいです。

どのような方が読むかわからないケースを想定し、誰が見ても失礼がないように整えることが大切です。

事務所移転の挨拶文|基本的な構成と流れ

  1. 冒頭のあいさつ(時候の挨拶や簡単なご機嫌伺いを含め、季節感や相手への配慮を丁寧に伝えることで、文面全体に温かみを持たせます。また、読み手に親しみを感じてもらう第一歩でもあります)

  2. 移転の報告とこれまでの感謝(単に「移転しました」と伝えるのではなく、「これまでのご支援に感謝しております」といった気持ちを添えることで、関係性の継続に前向きな印象を与えられます)

  3. 新住所や連絡先の明記(正確な住所・電話番号・FAX・メールアドレスなどを記載し、業務に支障が出ないように配慮します。必要に応じて地図やアクセス方法などの補足も加えると親切です)

  4. 今後のご厚誼のお願いと結びの言葉(「今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます」「お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」など、柔らかい表現で丁寧に締めくくると、読み手に好印象を残すことができます)

この流れを守ると、自然で感じの良い文面になります。

そのまま使える!事務所移転の挨拶文例【ビジネス向け】

例文1:形式的で丁寧な案内状

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 さて、このたび弊社は下記の通り事務所を移転することになりました。 これを機に社員一同、より一層業務に邁進してまいりますので、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

記 新住所:○○県○○市○○町1-2-3 ○○ビル3階 電話番号:000-1234-5678(※変更なし)

敬具

例文2:ビジネスメール用の簡潔な文面

件名:【ご案内】事務所移転のお知らせ

平素より大変お世話になっております。 このたび弊社は、業務拡大のため事務所を下記へ移転する運びとなりました。 今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

(新住所)○○県○○市...

挨拶文はどう送る?送付手段ごとの特徴とマナー

  • 郵送:フォーマルで信頼感も高く、特に官公庁や重要な取引先には最適な手段です。封筒や紙質にも気を配ることで、より丁寧な印象を与えることができます。

  • メール:スピーディでコストもかからず、社内外どちらにも使いやすいのが特徴です。特に日常的にやりとりがある相手には、即時性のあるメールが便利です。添付資料で地図や写真も共有できるのがメリットです。

  • FAX:今でも使われる業界もあり、正式感を重視する企業や相手が紙での保存を希望する場合に適しています。念のため送信後に電話などで確認を取ると安心です。

  • LINEやSNSカジュアルな関係性であれば検討しても◎ですが、あくまで補足的な連絡手段として使うのがベターです。お知らせ投稿や画像付きの案内で、フランクながらも伝わりやすい方法です。

相手との関係性を見極めながら、送付手段を選びましょう。

事務所移転の挨拶でよくあるミスと注意点

  • 「ご足労をおかけしますが〜」といった表現は、丁寧なように見えて、相手に訪問を促しているような圧を感じさせてしまうことがあります。意図せず失礼になることもあるため、控えめな表現を選ぶようにしましょう。

  • 移転理由については、あえて詳しく書く必要はありません。業務拡大や業務効率化のためなど、簡潔かつポジティブな印象を与える内容にとどめておくと無難です。あまりに詳しく書きすぎると、受け手が余計な詮索をしてしまう可能性もあります。

  • レイアウトや文章の長さにも気を配りましょう。文字が詰まりすぎていると読みにくく、相手に負担をかけてしまいます。段落ごとに空白を設けたり、見出しや箇条書きを取り入れることで、視認性が高まり、より親切な印象を与えることができます。

印象アップ!相手に喜ばれる一言添えフレーズ集

  • 「今後とも末永いお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます」

  • 「近くにお越しの際は、ぜひお気軽にお立ち寄りください。新しい環境での業務となりますが、これまで以上に励んでまいります」

  • 「略儀ながら、まずは書中をもってご挨拶申し上げます。今後とも変わらぬご支援のほど、心よりお願い申し上げます」

こうした一言があるだけで、あたたかい印象を与えることができます。

移転後に忘れずにやるべきことチェックリスト

  • 名刺・封筒・社内資料の住所変更

  • 社内のテンプレートや契約書類に記載された住所も忘れずに更新しましょう。名刺やパンフレットは新デザインの印刷にも時間がかかるため、早めの準備が大切です。

  • 取引先や金融機関、官公庁への住所変更手続き

  • 取引先へのご案内はもちろんのこと、登記住所の変更などが必要な場合は法務局での手続きも必要になります。また、税務署や年金事務所社会保険事務所などにも届け出を行いましょう。

  • Googleマップや公式サイトの更新

  • 自社ホームページのアクセス情報、会社概要ページ、問い合わせフォームの記載住所なども必ず更新しましょう。Googleビジネスプロフィールの住所修正も忘れずに。地図のピン位置がずれている場合は手動で調整するのもポイントです。

  • 近隣企業へのご挨拶回り

  • 新しいご近所となる企業や店舗へは、なるべく早めにお伺いし、ご挨拶することをおすすめします。地域に根ざした信頼関係を築く第一歩として、丁寧な対応が好印象につながります。

移転が終わってからも、やるべきことは意外とたくさん。リスト化して一つずつ対応していきましょう。

英文での事務所移転案内|海外取引先にもスマートに伝える

"We are pleased to inform you that our office will be relocated to the following address as of [Date]. We appreciate your continued support."

このように、簡潔で丁寧な文章で十分です。特に表現が難しい部分は、定型文を活用すると安心です。

業種別!事務所移転挨拶文の書き分けポイント

  • 士業やコンサル系:法律や税務などの専門職においては、丁寧で礼儀正しい文面が求められます。旧来の形式に則った書式や表現を重視し、挨拶文の語尾や敬称も抜かりなく整えることが信頼感につながります。

  • IT・クリエイティブ業界:デジタルに慣れた業界では、ややカジュアルな文面でも違和感がないことが多く、視覚的な工夫が施された案内状やメールテンプレートも歓迎されます。色使いやレイアウトにこだわることで、相手の印象に残るお知らせになります。

  • 現場系(建築・不動産など):業務の性質上、現地での案内が重要になるため、地図付きの資料や工事の進捗状況を盛り込んだ写真付きのご案内なども喜ばれます。さらに、現場に足を運ぶ可能性のある方へは、アクセス方法や駐車場の有無などの詳細情報を加えておくと親切です。

相手や業界に合わせて、文面のテイストを少し調整するとより伝わりやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1:事務所移転の挨拶は移転前と後、どちらに送るべき?

基本的には移転の前にお知らせを送るのが望ましいです。

早めに伝えることで、相手方も業務に支障が出ないよう準備ができ、混乱を防ぐことができます。

特に郵送で送る場合は、移転日より1〜2週間前には届くように手配しましょう。

ただし、やむを得ず急な移転となってしまった場合でも、移転後すぐにご案内を送ることで誠意を伝えることができます。

移転後のフォローアップとしての挨拶も、関係維持のために大切です。

Q2:同じ建物内での移転でも挨拶は必要?

はい、同じビル内であってもフロアや部屋番号が変わることで、来訪者が迷ってしまったり、郵送物の誤配送が発生したりする可能性があります。

取引先や関係者にとっては大事な情報となりますので、しっかりとご案内をしておく方が親切です。

変更点が小さく見えても、案内をすることで丁寧な対応として評価されることが多いです。

Q3:社内メンバーにも挨拶文を送る?

はい、社内メンバーにも情報共有の一環として、挨拶文や簡単な案内を送ることは大切です。

特に部署が離れている場合や、リモートワーク中の社員が多い場合などは、メールでの告知を行っておくと混乱を防げます。

社内報や掲示板なども活用し、必要な人にしっかりと情報が届くように工夫しましょう。

まとめ|丁寧な挨拶が信頼関係の第一歩に

事務所移転の挨拶文は、単に新しい住所を伝えるための事務的な連絡ではなく、これまでの感謝の気持ちや、今後の信頼関係をより一層深めていくための大切なメッセージでもあります。

文章の構成や言葉選びひとつで、相手に与える印象は大きく変わります。

そのため、基本的な流れをしっかりと踏まえつつ、自社らしい温かみのある表現を盛り込むことが重要です。

たとえば、これまでのお付き合いへのお礼や、今後のご支援へのお願いを添えることで、相手に誠実さが伝わります。

また、形式にとらわれすぎず、相手の立場に寄り添った言葉を選ぶことで、より親近感のある印象を与えることができます。

この記事が、あなたが自信を持って挨拶文を作成できるようになるきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。